3. 塗膜の測定

  試験片材質がアルミニウムや銅の薄板0.1mm以下に、塗付10μm以下で表面が波打ちした、乾燥塗膜の膜厚を測定するには、非破壊、接触式の「静電容量式膜厚計」が最適といわれています。

 

  他の非破壊式においては、「光学式膜厚計」は透明試験片には対応できるが着色試験片には対応できません。  

 

「レーザー膜厚計」はピンポイント測定となり、測定数を増やしその平均値をとる測定が必要であり、また試験片の凹凸による乱反射があると測定できません。  

 

「蛍光X線分析器」は測定面積が大きく波打つ試験片にも強いが、金属を対象にしており塗膜は対象外のようです。    

 

  破壊式では試験片を切断して断面を「走査型電子顕微鏡(SEM)」で撮影する方法があります。試験片カットに、物理的損傷等を全く伴うことなく鏡面仕上げが可能な装置、クロスセクション・ポリシャ(CP加工)を用いれば、SEM測定の可能性はあるようですが、いずれも波打ちした薄板測定には課題があるようです。  

 

  弊社接触式「静電容量式膜厚計アドミッタンスゲージ」と類似した「誘電率測定」にはJIS・ASTM規格がありますが、いずれも膜厚を測定するものではありません。  

 

  JIS規格などの誘電率測定方法は、マイクロメーターで、試験片の厚みを測定しておきその容量測定から逆算して誘電率を求めます。塗膜の誘電率測定は公的機関などに測定を依頼しますが、試料として塗料100%の均一なシートの製作は難しく、また塗膜シートを金属電極に挟み込んで測定するために、塗膜シートの破損やクラック発性により測定が困難で、塗膜シートの誘電率測定は非現実的です。  

 

  アドミッタンスゲージは、弊社独自の静電容量式膜厚測定方式であるため、JIS規格はありません。アドミッタンスゲージは、静電容量式膜厚計の原理より、膜厚を測定する場合、「塗料の種類」ごとに標準板を作成する必要があります。